ウソをついてでも
エイジングケア専門フェイシャルエステサロン・ビエル掛川店の仲田です。このブログをご覧いただきましてありがとうございます。
今日、お友達と話をしていて「年老いたお母さんが、ちょっと前に話したことを忘れちゃう」という話題になりました。そのお友達は私よりも10歳くらい年上で、しかも末っ子なんです。だからお友達の親御さんはうちの親よりも10歳以上は上なのだろうと思います。そりゃ忘れっぽくもなりますよね。
5~10年くらい前、私は病棟の事務をしていました。(5年間勤めていました)
私の勤めていた病院は『想い』をとても大切にしている病院で、患者さんとご家族さんの想いをじっくり聞いて、医師と看護師と薬剤師が連携を取って治療方法や予後の対応を決めていくようなところでした。(もちろんすべての希望が叶えられるわけじゃなかったけれど)
当然のことですが看護師さんはみなさん業務に忙しく、そんなに長い時間患者さんをかまってあげられません。でもさみしくてナースコールを連打する患者さんもいるんです。
だから事務職の私の隣に患者さんを連れてきて、仕事をしながら患者さんとお話をすることが時々ありました。今の病院制度ではちょっとできないことかもしれませんね。本当に貴重な体験をたくさんさせていただいたんです。ありがとうございます。
ある女性患者さんが私の隣に来たことがありまして。30分前の会話を忘れてしまわれるんですよね。だから話題に事欠かなかったです。笑。何回も同じお話を聞いて、その都度初めて聞いたようなリアクションをとって。でも聞いたことある話だから話題の広げ方もだんだんわかってくるという。楽しかったな。
あるとき、ふと彼女が「おとうさんはどこにいるかね?」とおっしゃいました。おとうさん、というのは彼女のご主人のことです。私は看護師さんに尋ねると「昨年お亡くなりになったそうです」とのことで、それを彼女に伝えると「そう…死んだのか…」と言って、とても悲しいお顔をされたのです。
でも30分前の会話を忘れてしまうから、また後で聞かれるのです。「おとうさんはどこにいるかね?」と。次の日も聞かれるのです。
だから私は何回目かの返答のとき、思い切って「先に帰ってるから、あなたはおしゃべりしてきて、って言ってましたよ」とお伝えしたんです。すると彼女は「そう」と笑顔で答えました。
きっと彼女は私のウソに気づかないのです。
そして、私のウソに気づく前に、この会話も忘れてしまうのです。
そんなこともわかっているのに、私はこのウソを付くことに少し罪悪感を覚えたのです。
だってこんなウソをついても、ご主人が亡くなった事実は変わらないから。
でも、その罪を背負ってもウソをつこうと思ったんです。
彼女の笑顔を守りたかったから。
今、ちょうど新型コロナウイルスが流行っていますよね。
コロナ肺炎で陽性反応が出た方が出入りしていたスポーツジムのスタッフさんが「うちのジムは陽性反応の人が来ていました」と勇気を持って保健所に連絡してくださったんですよね。
それは同時にスポーツジムの閉鎖と、閉鎖して収入がなくなることと、ジムの風評を悪くすることを意味します。それをわかった上で、自分の利益を優先したウソや隠匿をせずに報告してくださったことに感謝しています。
ウソにはついていいウソと、そうでないウソがある。
昔から聞いて知ってはいるけれど、どのウソなら良いのか迷うことがあります。ひとつウソをつくと、それを取り繕う為にまたウソを重ねないといけないから、ウソつくのは苦手なんです。それでもウソを付いた方がいいこともあって、それで。迷います。
相手の気持ちや、世界の平和、笑顔、そんなことを基準にしたら、答えがわかるのかな。
なーんてことを考えた1日でした。
本当にたくさんの方々、応援ありがとうございます!皆さんの美と健康と幸せを心から祈っております☆
ご病気の方、良くなりますようにお祈りしています。
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